
ソフトウェアテスト
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ソフトウェア開発やゲーム開発において、品質を保つために必要なのがソフトウェアテストです。ただし、開発の当事者だけでは、必ずしも適切にソフトウェアテストを実施できるとは言えません。「第三者検証」を採用し、より客観的な視点でテストを実行することが必要です。
この記事では、第三者検証とは何かや、そのメリット・デメリットについて解説します。その上で、第三者検証を行う方法や第三者検証会社の選び方についてもご紹介いたします。
ソフトウェアテストにおける第三者検証とは、開発と関係性を持たない第三者が行うソフトウェアの検証・評価のことです。
ソフトウェアテストに関する国際的な資格認定団体「ISTQB」は、開発とは関わりがない独立したチームがテストを実行する必要があるとしています。第三者検証は、ISTQBが求めるテストの独立性を実現するソフトウェアテストの手法です。
開発の当事者でなく、第三者がテストを行うことでどのようなメリットがあるのでしょうか。以下、主なメリットを1つずつ解説します。
ソフトウェア開発の当事者は多かれ少なかれ、ソフトウェアに対する先入観を持っているものです。そのため開発者は、ソフトウェアの故障や欠陥を見つけるのに必要となる客観性を欠くのは否めません。
一方の第三者であれば、ソフトウェアに対する先入観なしにフラットな視線で客観的にテストを行うことができます。第三者は開発者に比べ、よりユーザーに近い視点での評価も可能です。
第三者検証を採用することによって、開発チームはテスト用の人員を確保する必要がなくなります。これによって開発チームは、開発業務に専念できるようになるのです。
第三者検証を採用することで、開発と並行してより早いタイミングでテストを開始可能です。より早い時期にバグを発見することによって、修正にかかる工数も圧縮できます。
第三者検証は、必ずしも他社に依頼しないとできないわけではありません。開発チームとは異なる独立したテストチームを社内で構成し、第三者検証を行う方法もあります。
以下、第三者検証を社内で行う場合、他社へ依頼する場合におけるメリットを紹介します。第三者検証を自社で採用する際に、どちらの方法が適しているか検討する際の参考にしてください。
第三者検証会社に依頼せず、テストを社内で内製化する(品質管理チームを作る)方法があります。この方法の主なメリットは以下の通りです。
第三者検証会社に比べ、社内担当者の方がコンテンツに愛着を持ちやすいのは言うまでもありません。たとえばゲームのテストであれば、社内担当者は「よりゲームを面白くしたい」「ゲームの意図がプレイヤーに伝わっているのか?」
「遊び要素の中で不利益になるような事態にならないか?」という視点をもってテストを行います。その結果、「このキャラクターのセリフはこうした方がいい」など、ゲームの品質を高めるための気づきも多くなるのです。また、仮に開発遅延が起きても品質低下にならないように努めます。
テストを内製化することによって、テストのノウハウが社内に蓄積していくというメリットもあります。なお、ここでいうノウハウとは、テストの実施に限ったことではありません。開発チームとどのように関係性を築いていけばよいかなど、よりスムーズにプロジェクトをすすめるためのノウハウも蓄積されるのです。
会社には、それぞれの風土や文化があります。その風土・文化を共有できる社内チームの方が、他社と比べスムーズにプロジェクトをすすめられるわけです。この点も、社内に独立したテストチームを作るメリットと言えます。
社内にテストチームを作る選択肢として、以下が挙げられます。
「(1)」の方法では、開発プロジェクト内の担当者なのでソフトウェアの仕様を熟知しているというメリットがあります。しかしプロジェクト内で、納期・コストなどに関する要求をダイレクトに受けるため、独立性を維持しにくいのが難点です。
一方、「(2)」の方法であれば、「(1)」と比べ開発プロジェクトからの要求をダイレクトに受けることなく、独立性も保ちやすくなります。「(2)」の代表的なパターンが品質管理部による検証です。
社内に独立したテストチームを作る場合は、以下が必要となります。
これらを準備した上で、テスト案件を複数こなしてチームの育成を続けることも求められます。第三者検証会社を使う場合に比べ、かなりの工数とコストがかかることは否めません。
それでは第三者検証会社に依頼する場合は、どのようなメリットが考えられるでしょうか。以下、1つずつみていきましょう。
第三者検証会社は、テストに関する専門的なノウハウを持っています。第三者検証会社に依頼することで、そのノウハウを活用できるため、テストの品質向上につながるのです。ソフトウェアテストのノウハウがない企業の場合、自社では見つけられないバグを第三者検証会社なら見つけられる可能性があります。
自社でテスト要員を確保する場合、テストがないときにも人件費が発生することになります。一方で第三者検証会社に依頼するのであれば、自社でテスト要員を確保する必要がありません。第三者検証会社に任せることにより、固定費を軽減できるわけです。
ゲーム開発において、第三者検証会社を選ぶ際のポイントとして以下が挙げられます。
「テスト要員のアサインだけでなくマネジメントまでして欲しい」「テストに関して全て丸投げしたい」など、企業ごとに要望は違います。自社の開発スタイルに合わせた提案をしてくれる第三者検証会社を選ぶとよいでしょう。
第三者検証会社によっては、担当者の品質にムラがある場合も少なくありません。アルバイトが多くないか、社員の教育体制が整備されているかチェックし、質の高い担当者を継続的にアサインできそうか見極めましょう。
質の高い第三者検証会社であれば、適宜、テスト品質を向上させるための提案をしてくれるものです。サービスの説明を聞くなどして、そういった提案ができそうな会社か否かチェックしましょう。
ソフトウェアテストやゲーム開発のテストにおいて、第三者検証とは開発の関係者以外による検証・評価です。開発の関係者がテストを行う場合、ソフトウェアやゲームに対する先入観があることから客観性が欠如するのは否めません。その点、第三者検証ではユーザーと同じフラットな視点で、客観的にテストを実施することが可能です。
第三者検証は専用の第三者検証会社に依頼する方法の他、自社内に開発プロジェクトとは独立したテストチームを作って行う方法があります。それぞれメリットが異なるので、自社のスタイルにあった方を選ぶことが必要です。
当社AIQVE ONEでは第三者検証に関するコンサルティングを承っており、御社に適した実行方法を提案させていただけます。品質管理部を立ち上げるノウハウもあり、内製化を行う場合の支援も可能です。第三者検証を自社でどう行えばよいかわからない場合は、ぜひご相談ください。
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