ソフトウェアテスト
【6.テストツール編】JSTQB Foundation Levelシラバス最新版の具体的な変更点まとめ
JSTQB(ソフトウェアテスト技術者資格認定組織)は、Foundation LevelシラバスVersion 2023V4.0 日本語翻訳版を2023年9月に公開いたしました。ISTQB (国際ソフトウェアテスト資格認定委員会) が 2023年5月にリリースした Foundation Level シラバスVersion 2023V4.0を日本語訳したものです。この記事では、「イントロダクション」の章における具体的な変更点を解説いたします。
最新版シラバスでは、以下文言が削除されています。
ISTQB では、事前に書面による申請があり ISTQB から承認された場合に限り、第三者がこのシラバスを先に定めた以外の目的での使用を許諾することがある。
最新版シラバスでは、以下文言が削除されています。
『ISTQB Foundation Level シラバス 日本語版 概要』が別ドキュメントとして用意されており、以下の情報を記載している。
• シラバスのビジネス成果
• ビジネス成果と学習の目的の間のトレーサビリティを示すマトリクス
• 本シラバスの概要
最新版にて新規で追加された項目となります。内容は以下の通りです。
ISTQB®のスキームは、キャリアのあらゆる段階にあるテストのプロフェッショナルを支援し、知識の幅 と深さの両方を提供する。ISTQB® Foundation 認定資格取得者は、Core Advanced Levels(テストアナ リスト、テクニカルテストアナリスト、テストマネージャー)その後、Expert Levels(テストマネジメ ントまたはテストプロセス改善担当)へと興味を広げられる。アジャイル環境にてテストを実践するス キルの向上を目指す場合は、Agile Technical Tester または Agile Test Leadership at Scale の認定を検討 することができる。Specialist コースでは、特定のテストアプローチやテスト活動(テスト自動化、AI テ スト、モデルベースドテスト、モバイルアプリテストなど)、特定のテスト分野(性能テスト、使用性 テスト、受け入れテスト、セキュリティテストなど)、特定の業界ドメイン(自動車やゲームなど)の テストのノウハウを集約した分野を深く掘り下げることができる。ISTQB 認定テスト担当者制度に関す る最新情報は、www.istqb.org を参照のこと。
最新版にて新規で追加された項目となります。内容は以下の通りです。
Foundation Level の認定取得者に求められる 14 のビジネス成果を掲載している。Foundation Level 認定 テスト担当者は、次のビジネス成果を達成できる。
FL-BO1 テストとは何か、なぜテストが有効なのかを理解する。
FL-BO2 ソフトウェアテストの基本的な概念を理解する。
FL-BO3 テストのコンテキストに応じて、実施すべきテストアプローチと活動を識別する。 FL-BO4 ドキュメントの品質を評価し、改善する。
FL-BO5 テストの有効性と効率性を向上する。
FL-BO6 テストプロセスとソフトウェア開発ライフサイクルを一致させる。
FL-BO7 テストマネジメントの原則を理解する。
FL-BO8 明確で理解しやすい欠陥レポートを記述して伝える。
FL-BO9 テストに関わる優先度や労力に影響を与える要因を理解する。
FL-BO10 クロスファンクショナルチームの一員として働く。
FL-BO11 テスト自動化に関するリスクと利点を知る。
FL-BO12 テストを行うために求められる必要不可欠なスキルを識別する。
FL-BO13 リスクがテストに与える影響を理解する。
FL-BO14 テスト進捗と品質を効果的にレポートする。
最新版では、以下の文言が削除されています。
試験の形式は多肢選択式である。問題の数は 40 である。問題の 65%(26 の問題)以上を正解した場合 に合格となる。 試験は、認定トレーニングコースの一部として、または(例えば試験センターや公的試験で)独立して 実施してもよい。認定トレーニングコースの受講完了は試験のための前提条件ではない。
最新版では、以下の一文が追加されています。
本シラバスの認定ガイドラインは、プロセスマネジメント・コンプライアンスワーキンググル ープが発行する一般的な認定ガイドラインに準ずる。
最新版にて新規で追加された項目となります。内容は以下の通りです。
Foundation シラバスには、参照する標準がある(IEEE や ISO 標準など)。これらの参考文献は、(品質特性に関する ISO 25010 の参考文献のように)枠組みを提供し、読者が望む場合には追加情報のソー スを提供するためのものである。標準ドキュメントは試験を目的としたものではない。標準の詳細については、第 7 章を参照のこと。
最新版にて新規で追加された項目となります。内容は以下の通りです。
ソフトウェア業界は急速に変化している。これらの変化に対応し、関係者が関連する最新の情報にアク セスできるように、ISTQB ワーキンググループは、www.istqb.org ウェブサイトにリンクを設け、サポー トドキュメントや標準の変更点などを紹介している。これらの情報は、Foundation のシラバスでは試験 対象外である。
全体的に言い回しの変更がありますが、内容に大きな相違はありません。
また、最新版では以下の一文が削除されています。
本シラバスでは、ソフトウェア開発の特定のライフサイクルおよび方法論に関連する個別の学習の目的は取り上げていない。ただし、これらのコンセプトをアジャイルプロジェクト、他の種類の イテレーティブ/インクリメンタルライフサイクル、およびシーケンシャルライフサイクルに適用する方法については説明している。
学習時間が変更となっています。また最新版ではタイトルが変わっている章がある他、章ごとの詳細な内容が記載されています。
2018年度版 | 最新版 | |
---|---|---|
全体 | 16時間45分以上 | 18時間55分 |
第1章 テストの基礎 | 175分 | 180分 |
第2章 ソフトウェア開発ライフサイクル全体を通してのテスト | 100分 | 130分 |
第3章 静的テスト | 135分 | 80分 |
第4章 テスト技法(2018年度版) テスト分析と設計(最新版) | 330分 | 390分 |
第5章 テストマネジメント(2018年度版) テスト活動のマネジメント(最新版) | 225分 | 335分 |
第6章 テスト支援ツール (2018年度版) テストツール(最新版) | 40分 | 20分 |
最新版シラバスはこちら
https://jstqb.jp/syllabus.html#syllabus_foundation
2018年度版シラバスはこちら
https://jstqb.jp/dl/JSTQB-SyllabusFoundation_Version2018V31.J03.pdf
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