CASE

AIQVE ONE株式会社のテストを導入していただいた企業のご担当者にお話を聞く事例紹介インタビューをご紹介します。

営業に同行するほど、
担当者の理解度が高い。
チームとして欠かせない存在に

monoAI technology株式会社

10万人レベルでの同時接続を可能とする、バーチャル空間プラットフォーム『XR CLOUD』。その開発を行うmonoAI technology株式会社を訪問し、開発を担当する樽井浩史氏と謝鵾氏にお話を伺いました。

お取引概要

バーチャル空間プラットフォーム『XR CLOUD』のテスト支援。

お取り引きのきっかけ

『XR CLOUD』開発初期、monoAI technologyでテスト専門チーム(後にAIQVE ONEとして独立)が立ち上がり、依頼する形となった。

インタビューイー

・謝 鵾(シャ コン)氏/開発・部長

・樽井 浩史氏/イベントディレクター

様々なコミュニケーションをVR空間で実現。その分、検証作業の難度が上がるのが気がかりだった

―お二人が関わっている『XR CLOUD』とは、どのようなサービスなのでしょうか。

樽井氏:企業の講演や展示会、就職説明会といった各種イベントをVR空間で提供するためのプラットフォームとなります。このご時世、なかなかリアルで人が集まりにくい状況が続いていますが、だからこそ『XR CLOUD』の需要は高まっており、利用者から「ありがたい」という声を頂いています。

謝氏:身近な人との会話や資料の閲覧、名刺交換といったコミュニケーションがVRで楽しめるとイメージしてください。パソコンやスマートフォンはもちろん、Oculus QuestやVIVEといった、ヘッドマウントディスプレイにも対応しています。

樽井氏:こうしたバーチャル空間を提供するソフトは相応に複雑な処理が走るため、参加者が増えるほど動作が重くなったり動かなくなったりします。しかし私たちにはゲーム(MMORPG)の分野で培ったノウハウがあり、多岐にわたる処理をスムーズに分散させる仕組みを持っています。大規模でありながらも快適性を担保するというのが、『XR CLOUD』の強みですね。

謝氏:例えばボイスチャットの場合、開発当初は100~200人が使用に耐えうる限界でしたが、エンジンの改善を行い、今では通常時1,000人以上、拡散マイクを用いれば数千人規模に届けられるようになりました。このあたりは、自社開発の良さが上手く出ています。

樽井氏:ただし色々なことができる分、その検証作業も一般的なアプリより難度が高めでして。開発が進むにつれて、テスト体制もどうにかしないといけないなと思うようになりました。

サービス特有のチェックもスムーズに進行。柔軟な対応に安心できた

―AIQVE ONEとは、どのような経緯でお取引が始まったのですか?

樽井氏:同じグループ会社だったということもあり、そこから自然と決まりました。monoAI technologyでテストを専門に行うチーム(※後にAIQVE ONEとして独立)が立ち上がった頃、ちょうど『XR CLOUD』も開発初期段階でして。そろそろ、しっかりしたテストをしたいなということで、依頼するようになったのが直接のきっかけです。

謝氏:『XR CLOUD』はiOS/Android/Windows/Macに加えて、各種ヘッドマウントディスプレイまで動作対象としており、テストに必要な機材を調達するだけでも一苦労です。AIQVE ONEさんはその辺りも問題なく対応してもらっているので、助かっています。

 

―具体的に、AIQVE ONEとはどのようなやりとりをされていますか?

樽井氏:基本的に、事前の要件定義を元にチェック項目を作って頂き、それに従って仕様通りに動いているかのチェックをお願いしています。前述のとおり、『XR CLOUD』はバーチャル空間内で様々なことができるため特有のチェックも多いのですが、進行はとてもスムーズですよ。

謝氏:負荷テストを行う際、必要な人数を素早く集めてもらえたりもするので助かりました。あとは突発的なテストが必要になった時に、「明日、数時間だけチェックしてほしい」といったリクエストにも応えてもらえて嬉しかったです。

樽井氏:『XR CLOUD』は企業向けで展開しているサービスということもあり、ちょっとした不具合でも「動きがおかしい!壊れてる!?」と、利用者から連絡を頂くことがあります。もちろん不具合が無いよう全力を尽くすのは当然なのですが、私がこれまで担当していたゲーム案件より、強めなマイナス反応が返ってくるといいますか。だからこそ、そういった面でもしっかりと対応してくれているAIQVE ONEさんは安心できています。

担当者の質が高いから、やりとりがスムーズになる。営業に同行してもらうケースも

―この一年、AIQVE ONEとの取組みを振り返っていかがでしょう?

樽井氏:『XR CLOUD』というプロジェクトに対して、AIQVE ONEさん側が一貫して同じメンバーを維持し続けてくれている点に大きなメリットを感じています。経験が蓄積されるため、テストを重ねるほど自然にそのスピードやクオリティが上がっていき、問題の早期発見に繋がっているのが、とにかくありがたくて。

謝氏:他の会社さんだと、「人だけ集めました」ってケースもありますよね。けれど忙しくなってくると、集められた方々に前段の説明をする余裕がないって状況があるじゃないですか。AIQVE ONEさんには、こういったことがありません。とにかく担当者の、プロダクトに対する理解度が高い。開発する側として、これは大きなメリットだと感じています。

樽井氏:むしろ詳しすぎて、最近は弊社の営業に同行してもらうようになりました。『XR CLOUD』で技術上できること、できないことが分かっているから、クライアントとの相談もブレないんです。もはや同じ一つのチームとして、頼りにしています。

 

―ありがとうございます。もしAIQVE ONEとの取組みで印象的だったエピソードがあれば教えてください。

樽井氏:そうですね…。開発初期の話になります。『XR CLOUD』はVRを動かす都合上、動作スペックが少し高めなんです。けれどBtoC向けに展開したとき、いわゆる“会社から支給されたPC”では性能が追いついておらず、動作が厳しいという状況が頻発しました。

謝氏:開発環境では全く問題ないのに、会社で配られているようなPCでは動かないことがザラで。

樽井氏:通信環境もネックでした。WiFiと一口に言っても、自宅ならある程度占有しているから安定します。けれど、複数の人が同時に接続する会社のWiFiだと、途端に混雑してボイスチャットの質が下がったり、ログインできなくなったり…。この一年で、幅広い動作環境を担保しなきゃと痛感しました。そして、それが確認できるテスト環境を作るには、QA側であるAIQVE ONEさんの協力が必要不可欠でした。

謝氏:人数を集めたり、わざと電波の品質を落として試してみたり。色々、相談に乗ってもらえました。「どれだけ負荷をかけた状態でライブ配信が行えるか」といった、特殊で難度が高い検証にもしっかり付いてきてくれましたね。

良い検証にはプロの経験やノウハウが必要不可欠。これからも互いに歩んでいきたい

樽井氏:『XR CLOUD』はこれからも、様々な機能を追加してより便利にしていきたいと思っています。開発は一筋縄ではいかず、今まで問題なかった部分でも新機能追加によってダメになったりします。そういった箇所の洗い出しには、プロの経験やノウハウが間違いなく必要になるでしょう。今後もお互いに高め合いながら、歩んでいきたいと思っています。