1. HOME
  2. /

  3. ブログ
  4. /

  5. エンタメソリューション開発
  6. /

  7. XR(クロスリアリティ)とは?今さら聞けない基礎知識とビジネス活用事例

エンタメソリューション開発

XR(クロスリアリティ)とは?今さら聞けない基礎知識とビジネス活用事例

  • #XR
アイキャッチ画像

ゲームをはじめとしたエンターテイメントの分野にとどまらず、幅広い分野で注目を集めているのが「XR(クロスリアリティ)」の技術です。XR技術を活用した、新しいサービスや商品などを体験したことがある方は少なくないでしょう。

今後も、XRはいろいろな分野で活用の幅を広げると考えられます。

この記事ではXRの概要や種類といった基本知識からビジネスの活用事例を紹介しています。本記事を読むことでXRの概要を理解し、自社においてどのような活用が考えられるか検討できるようになるでしょう。

XR(クロスリアリティ)とは?

XR(Cross Reality / クロスリアリティ)とは、現実世界に仮想世界を重ね合わせ、現実では体験できない表現や体験を創出する技術の総称です。ここでは、「クロスリアリティ(Cross Reality)」として解説していますが、「エクステンデッドリアリティ(Extended Reality)」の略語としても使われます。

XRの「X」は多様な技術を指し、主な種類として以下が挙げられます。

  • VR(Virtual Reality / バーチャルリアリティ)
  • AR(Augmented Reality / オーグメンテッドリアリティ)
  • MR(Mixed Reality / ミクストリアリティ)

XRという言葉が生まれた背景には、関連技術の活用が組み合わさり、境界が曖昧になる状況が挙げられます。たとえば、VRで構築された仮想世界にARのコンテンツが統合されると、VR・ARの区別が難しくなります。そのため、これらを包括する呼総称として、XRという言葉が用いられるようになりました。

XRはゲームをはじめとしたエンターテイメント分野だけでなく、教育や医療、建築など多岐にわたる分野で活用され始めています。今後、各分野でXRの利用はさらに加速すると予想されます。

VR・AR・MRの違い

XRに含まれるVR・AR・MRは、いずれも仮想世界と現実世界を融合させる技術ですが、それぞれに特徴的な違いがあります。以下に各技術の概要とその違いをまとめました。

【VR・AR・MRの概要・違い】

XRの種類概要活用例
VR(仮想現実)仮想世界をあたかも現実のように体感させる技術。ユーザーは専用のヘッドセットを装着し、完全に仮想空間に没入する。現実世界は視界から遮断され、仮想世界のみが見える状態となる。ゲーム、研修、ミーティング、観光案内など
AR(拡張現実)現実世界に仮想世界を組み合わせることで拡張する技術。スマートフォンやタブレットなどのデバイスを通じて、現実の風景に仮想のオブジェクトや情報を表示させる。現実世界が主体であり、そこに仮想情報が追加される形になる。地図のナビゲーション(Google MAPのAR機能)、バーチャル試着など
MR(複合現実)現実世界に仮想世界を融合させ、両者が相互に影響し合う技術。ユーザーは現実世界を見ながら、仮想オブジェクトと直接的にインタラクションすることが可能。現実と仮想がシームレスに統合され、仮想オブジェクトが現実世界の物理法則に従うなど、より高度な融合が特徴。ミーティング、医療シミュレーション、設計など

VRでは、体験者に見えるのは仮想世界だけで、現実世界は見えません。たとえばVRゲームでは、体験者の視界はゲームの世界に満たされるのです。はじめてXRを学ぶ方は、ARやMRに比べVRが最も分かりやすいのではないでしょうか。

ARでは、体験者に見えるのは主に現実世界です。現実世界に仮想のデジタルデータが追加されて、現実世界が拡張されます。ARで最もわかりやすいのは、Googleのような地図のナビゲーションアプリでしょう。たとえば街中でGoogleのARナビを使うと、スマートフォン上に目の前にある実際の建物や道路などが映ります。そこに目的地への方向を示す矢印が、映像データとして追加されるのです。人気ゲーム「ポケモンGO」も、AR技術を活用しています。現実世界に仮想のポケモンを表示することで、ユーザーが実際の環境でポケモンを捕まえる体験を提供します。

MRは、現実世界に仮想世界が追加される点ではARと共通しています。そのため初心者にとって、MRとARの違いは少しわかりづらいかもしれません。大きな違いは、ARは現実世界が主体であるのに対し、MRで主体となるのは仮想世界です。

わかりやすいMRの例の一つとして、遠隔医療が挙げられます。医師がMRデバイスを装着すると、遠く離れた場所にいる患者の身体がリアルな3D映像として目の前に映し出されます。医師は、3D映像をもとに診察をするのです。同じ原理で、患者の前にある医療ロボットを、遠隔地にいる医師がMRによって操作するといった活用例もあります。

XRとメタバースの関係

メタバースとは、ユーザーがアバター(自分の分身)を介して参加し、複数のユーザーとのコミュニケーションや活動を行うことができる仮想上のデジタル空間を指します。この空間では、ユーザーは仮想の街を歩き、他ユーザーのアバターと会話を楽しんだり、ゲームをしたりすることが可能です。

XRは、メタバースにおける体験を強化する技術として活用されます。たとえばVRを使えば、体験者はメタバース内に没頭し、よりリアルな体験をすることが可能です。またARやMR技術を用いることで、メタバースと仮想世界を連携させることができます。たとえば、AR対応のデバイスを使用すると、現実の風景にメタバース内のキャラクターやオブジェクトを表示させ、現実と仮想が融合した体験を楽しむことができます。

メタバース上でXRを活用することで、より多彩なシナリオや応用が可能となるのです。一方XR技術にとって、メタバースはその技術を活かすための舞台とも言えます。このように、メタバースとXRは互いに補完し合うことで、ユーザーに新たな体験を提供しています。

XRの仕組みと技術

XRを実現するために、様々な仕組みや技術が活用されています。ここでは、その中でも主要な技術の概要についてみていきましょう。

【センサー技術】
XRを実現するためには、現実世界の位置などの情報を正確に把握しなければなりません。センサー技術は現実世界の状況をリアルタイムかつ正確に把握し、仮想世界へ反映させるために使われます。センサー技術で使われるのは高精度なカメラや加速度計、ジャイロスコープなどです。

=使用例
・VRヘッドセット
ユーザーの頭の動きにもとづいて、リアルタイムで視点を移動させる機器です。

・ARアプリ
スマートフォンのカメラ機能によって現実世界の様々なモノを認識し、仮想のデータを追加します。

【ディスプレイ技術】
仮想世界を映し出すための技術です。ヘッドセットやスマートグラスなどの機器によって実現されます。

=使用例
・Meta quest
高解像度ディスプレイを搭載し、仮想世界を映し出す機器です。

・HoloLens
ディスプレイを通して現実世界に、仮想の3D映像を融合させる機器です。

【データ処理とレンダリング技術】
仮想世界をリアルタイムで生成・表示するために使われる技術です。3Dモデリングやリアルタイムレンダリングなどの技術が該当します。

=使用例
・Unreal Engine
高精度なグラフィックとリアルタイムレンダリングにより、ゲームやシミュレーションなどの開発で使われます。

・クラウドレンダリング
PCやスマートフォンなどにかわって、クラウド上でレンダリング処理をする技術です。

【インタラクション技術】
ユーザーが仮想世界と相互にやりとりをするための技術です。たとえばユーザーの手や視点の動きを仮想世界へ反映させるのに、インタラクション技術が使われます。

=使用例
・VRゲームのコントローラ
ユーザーの手の動きを、VRゲームの世界へ反映させるのに使われます。

・ARナビゲーション
スマートフォンやタッチパネルを通して、仮想オブジェクトを操作する仕組みです。

XRをビジネスに活用するメリット

XRをビジネスに活用するメリットは少なくありません。ここでは、その中でも主なメリットを紹介します。

顧客体験の向上

XRを活用することによって、企業は顧客体験を劇的に向上させることができます。XRによって生み出すことができる顧客体験の幅は、従来のWebサイト・Webサービス・SNSに比べ圧倒的に広いためです。

たとえばXR技術を使うことで、バーチャルのショールームやイベントなどでユーザーに商品やサービスを提供することができます。バーチャルの店舗やARを使った商品体験などによってユーザーとの接点を強化することも可能です。

コスト削減

XRは様々なシーンでコスト削減にも寄与します。XRによって、コスト削減を実現できる例は以下の通りです。

  • 作業効率を向上させ、人件費を抑制する
  • トレーニングを簡略化・効率化し教育費用を削減する
  • 物理的な試作品を作るかわりに、仮想空間にてプロトタイプを作成することで、材料費・製作費をカットする
  • リモートでのトレーニングやデザインレビューなどが可能となり、移動時間・交通費・出張費用などを削減できる

競争優位性の確保

企業が競争優位性を確保するための手段として、XRを使うことも考えられるでしょう。XRが他社と差別化を図ることができる理由として、以下が挙げられます。

  • XRによって新しい顧客体験やビジネスを創出することによって、他社と差別化を図れる
  • XRによる体験で商品・サービスの魅力を理解した上で購入してもらうことで、顧客体験の向上やリピーター獲得につながる
  • プロトタイプ構築やデザインの過程をXRで効率化することで、開発期間・コストを短縮し競争力を高められる
  • 遠隔地にいる様々な専門家・スペシャリストとXRで柔軟に協力することができ、新たな知見を得たり作業品質・効率を向上させたりできる
  • XR技術を通じて収集したデータを活用し、製品の改善や業務効率の向上などを実現できる

【業界別】ビジネス活用事例

XRは業界を問わず活用されています。ここでは業界別で、どのような活用事例があるかみていきましょう。

【小売業】
・バーチャル店舗
仮想空間上の店舗にて、顧客とコミュニケーションをとったり商品を販売したりできる

・バーチャル試着
AR技術によって、自宅に目的の家具・家電を配置したときの見た目をシミュレーションできる

・インタラクティブ広告
VR空間上でインタラクティブ広告を展開し、商品やサービスを訴求する

【医療】
・遠隔診療
XRによって医師が遠隔から患者を診断する

・遠隔地での手術
AR・VR技術によって遠隔からロボットを操作し手術をおこなう

・教育・研修
仮想空間において臨床的なシナリオを再現したり、手術環境を構築して訓練したりできる

・リハピリテーション
仮想空間においてリハビリをおこない、認知能力や運動能力の改善に成果をあげられる

【教育】
・リモート学習
XR技術で構築した仮想教室にて、遠隔地にいる生徒が授業を受ける

・歴史や地理の学習
仮想空間で、現実では体験できない(しづらい)歴史や地理の環境を構築し生徒に体験させる

・職業訓練
工場に設置してある機械の操作などを、仮想空間上で生徒に体験させる

【製造業】
・プロトタイプの制作
物理的な試作品を製作するのでなく、仮想空間上でプロトタイプを制作しデザインや機能を確認できる

・デザインのレビュー
遠隔地にいる技術者・デザイナーが仮想空間に集まり、ひとつのデザインを同時にレビューする

・遠隔支援
現場の作業員がXRデバイスを通して、遠隔にいる技術者に支援を求める

【不動産業】
・バーチャル内覧
顧客が現地を訪れることなく、仮想空間上で物件の内覧をおこなう

・都市開発のシミュレーション
仮想空間上で都市開発のプロジェクトをシミュレーションし、関係者や住人との合意形成を円滑におこなう

・バーチャルイベント
施設の竣工前に仮想空間上でイベントを開催して訪問者のデータを取得し、マーケティングや企画設計に役立てる

まとめ

XRは現実世界と仮想世界を融合させることによって、現実世界だけでは考えられない表現や体験を実現する技術の総称です。XRには仮想空間を現実のように体験させるVRや、現実世界に仮想空間を組み合わせるAR、現実世界と仮想世界を複合するMRがあります。

企業はXRを活用することで顧客体験の向上やコスト削減、競争優位性の確保などが可能です。今後XR技術は、業界を問わずに様々なシーンで活用されるでしょう。本記事で紹介した活用事例を参考に、自社でMR技術をどのように役立てるか検討いただけたら幸いです。

AIQVE ONEはXR技術を活用した開発にも対応しています
AIQVE ONEでは、XR(クロスリアリティ)導入のご相談にも対応しております。
客様の希望に合わせ適切な技術を選定し、最適なソリューションを提案・開発を提供いたします。

VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)を活用したプロジェクトを通じて、エンターテインメントや教育、製造業など、様々な分野での革新的な体験を実現するお手伝いをいたします。

XR技術を活用したプロジェクトをお考えの方は、ぜひお気軽にお問合せください。

エンタメソリューション開発

ブログTOPへ