CASE

AIQVE ONE株式会社のテストを導入していただいた企業のご担当者にお話を聞く事例紹介インタビューをご紹介します。

VRにもしっかり対応。
ゲームをやり込み、
作品を好きになってくれる
姿勢が嬉しい

MyDearest株式会社

VRゲームのトップランナーとして業界をリードするMyDearest株式会社を訪問。
『DYSCHRONIA: Chronos Alternate(以下、ディスクロニア: CA)』にてディレクター・原案・メインシナリオを担当する
末岡青氏にお話を伺いました。

お取引概要

VRアドベンチャー『ディスクロニア: CA』のテスト支援。

お取り引きのきっかけ

複数のテスト会社に相見積もりをとり、社内へのメンバー常駐に対応している点や、テストに必要なVR機器の貸与が不要だった点にメリットを感じ、コスト感にも納得できたことからAIQVE ONEに依頼。

インタビューイー

末岡青氏/ディレクター・原案・メインシナリオ

ゲームの複雑化に伴い、自社でのQAは難しいと判断。初めて外部に委託することに

―『ディスクロニア: CA』とは、どんなゲームですか?

末岡氏:『ディスクロニア: CA』は、弊社がリリースしているVRアドベチャー「クロノスユニバース」シリーズの3作目に当たる作品です。“物語のなかに入りこみ主人公となる没入体験が楽しめること“を共通のコンセプトとして掲げており、これまで1作目の『東京クロノス』、2作目の『ALTDEUS: Beyond Chronos』と展開してきました。

そして3作目となる『ディスクロニア: CA』ではシリーズで初めて、プレイヤーがVR空間を自由に動けるようになる探索要素を取り入れました。その甲斐もあって、よりゲームの世界に没入することができる作品となっています。

―今回、御社は初めて外部にQAを委託したと伺いました。どんな背景があったのでしょう。

末岡氏:前2作は基本的にテキストを読み進めていくことで進行するアドベンチャーで、ジャンルとしてはシンプルなゲームでしたので、QAの大部分は自動テストで行いつつ、残りは開発終盤になって手が空いたメンバーがひたすら遊ぶという形でなんとかなっていました。しかし『ディスクロニア: CA』は、先ほどお話した探索要素によってゲームそのものが複雑化しており、頼りにしていた自動テストが使えなくなってしまったんです。

さらに今回は「Episode Ⅰ」から「Episode Ⅲ」までの3章構成を採用したため、たとえばあるメンバーの「Episode Ⅰ」の開発が落ち着いてもすぐに「Episode Ⅱ」の開発に入る必要があったりと、ある程度並行して開発を進めなければならず、メンバーの手が空くということがなくなってしまいました。

こうした事情から、これまでのように社内でQAを行うことは難しいと判断し、外部に依頼することにしました。

まだ珍しいVRゲームにもしっかり対応、鋭い意見が全体のクオリティアップに

―テストが始まって、AIQVE ONEの動きはいかがでしたか?

末岡氏: 最初は弊社が“QAを外部の方にお願いする”という状況に慣れておらず、色々と資料が足らなくてゴタゴタした部分があり……。

さらに今回のプロジェクトは基本的に「Episode Ⅰ 」から「Episode Ⅲ」まで共通の基幹システムを使う予定でしたが、開発の都合で手を加えるケースがありました。そうなると、新エピソードのリリースの度に全体を通して最初からテストする必要が出てくるため、「Episode Ⅱ」 「Episode Ⅲ」とリリースが進むにつれて、チェック内容がどんどん重くなってしまったんです。この影響もあってQAスケジュールに余裕がなく、開発メンバーも頭を抱えていました。

しかし、そんな厳しい状況でもAIQVE ONEさんには柔軟に対応頂き、最適なテスト計画やチェックリストを作成してもらって、動きが非常にスムーズでした!

「Episode Ⅱ」以降は弊社側も勝手が掴めてきて、テストに必要な事前の準備が進められるようになったのも、良かったと思います。

―VRゲームは、まだまだ開発できるチームやテスト会社が限られています。具体的にどんな課題があったのでしょう。

末岡氏:真っ先に挙げられるのは、VR酔いに関する問題ですね。特に開発中のゲームは意図しない動きも多く、どうしても製品版より酔いやすいです。幸い、弊社に常駐頂いたスタッフさんは酔いへの耐性があり、VR機器を長時間付けてテストして頂けたので助かりました。

逆に酔いやすいスタッフさんからは、「どこが酔いやすかったのか」といった意見を集めることができ、参考になりましたね。

ほかにもゲーム全体を通してテスト頂いた時は、「必要なアイテムに手が届かない」「どこに進めばよいか分かりにくい」といった、VRゲームならではの問題についても鋭い意見をたくさん出してくれました。このあたりはゲーム全体のクオリティアップにとても役立っています。

誰よりもゲームをやり込み、作品そのものを好きになってくれる姿勢が嬉しい

―AIQVE ONEとの取り組みを振り返って、いかがですか?

末岡氏:やはり、専門の方は違うなと思いました(笑)。それまでのQAは社内メンバーだけで進めて「あとは祈るだけ!」なんて状況でしたが、AIQVE ONEの方には計画的に取り組んで頂けてリリース時の安心感が段違いでした。

それとテストを担当して頂いたスタッフさんが、作品そのものを好きになってくれたことが何より嬉しかったです。探索パートで普通は行かないような場所に仕込んでいるサブイベントまで、丁寧に拾ってくれたのには驚きました。

そして誰よりもゲームをやり込んでいますから、シナリオの理解度が非常に高く、「ここが矛盾しているのでは?」「説明が足りないのでは?」といった、開発側が気付きにくい部分にまで意見を出して頂き、とても助かりました。複雑なシナリオをファン目線で考察してくれる方もいて、個人的にそれを読むのも楽しかったです。

―そう言って頂けると、担当したスタッフも嬉しいでしょうね。

末岡氏:全体的にコミュニケーションが取りやすく、特に常駐頂いたスタッフさんは社内イベント等にも積極的に参加してくれて。とある打ち上げでは、社員が連れてきたお子さんの面倒を見てくれるなど、本当に溶け込んでいました(笑)。

それとAIQVE ONEさんのQAチームは、常駐されている方やオフサイトのメンバー含めた全体で、良い連携が取れていることも好印象でした。今回はSlackを使いましたが、そのやりとりを拝見していると問題点の共有が早いし、お見せできないような開発中の不具合もネタとして笑ってくれるなど、なにより楽しそうで。

今回、AIQVE ONEさんに入って頂いたことで、とにかく安心してリリースが迎えられました。今こうして振り返ってみても、お願いして良かったなと感じます。